木鐸社

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『知事が政治家になるとき』

A5判256ページ上製カヴァ装 本体3500円+税

著者紹介

中條 美和(なかじょう みわ)
1976年 東京都生まれ。2000年、東京大学法学部卒業。2008年、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。2015年、テキサスA&M大学大学院政治学部博士課程修了、Ph.D. in Political Science.早稲田大学高等研究所助教を経て2015年より北海学園大学法学部講師。
研究分野 地方政治論、政治行動論、アメリカ政治
現職 北海学園大学法学部講師
業績
Civic Engagement and Trust in National and Local Governments, テキサス A&M 大学博士論文、2015年
「地方政治における「ボス議員」の影響力の変化-年齢と当選回数から」『都市問題』101巻5号、2010年など。

内容紹介

 本書は,2000年から2008年まで2期8年間熊本県知事を務めた潮谷義子を事例とし,保守的な政治風土の熊本県でいかにして女性知事が再選されたのかを丁寧に追うものである。特に潮谷が再選を果たした2004年4月の熊本県知事選挙と,1期目の4年目という1年間に焦点を当てる。本書が注目するのは,2期目の選挙に至る現職知事の思惑と,議会会派や有権者や支持者などその他の諸アクターとの攻防であり,本書の大部分は熊本県における1年間のフィールドワークという質的方法により女性知事の再選メカニズムを詳細に追うことで、保守的な政治風土における女性リーダーの存続可能性を探ることを大きな目的としている。

目次
序章 はじめに
第Ⅰ部 概論
第1章 地方政治における知事
1.地方政治の非政治性
2.二元代表制と知事
3.知事を中心とした地方政治
第2章 熊本県と熊本県知事
1.熊本県の風土的特徴
2.熊本県の政治的特徴
3.熊本県における政治アクター
4.熊本県知事・潮谷義子
5.2003年熊本県知事・潮谷義子に対する支持の構造
第Ⅱ部 事例
第3章 川辺川ダム建設問題
1.川辺川ダム建設問題の概要
2.川辺川ダムに関する知事の権限
3.潮谷義子知事就任時における川辺川ダムをめぐる政治的環境
4.川辺川ダム住民討論集会の開催
5.熊本県知事潮谷義子の権力行使
第4章 選挙応援と知事
1.知事の選挙応援
2.2003年11月衆院選挙における松岡利勝応援
3.潮谷知事の松岡応援の理由
4.潮谷知事による松岡応援の反響
5.知事選にむけて
第5章 傀儡知事から県民党知事へ:2004年熊本県知事選
1.政党推薦と県民党
2.さやかの会とアマチュアリズム
3.考察
第Ⅲ部 結論
第6章 考察と結論
主要参考文献
1.インタビュー
2.公文書
3.引用文献
あとがき
索引

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