木鐸社

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『スコットランドの独立:多層ガヴァナンスと政党制』

A5判300頁定価:本体4500円+税 ISBN978-4-8332-2511-2 C3022
2017年2月28日刊行

著者紹介

力久 昌幸(りきひさ まさゆき)
1963年 福岡県に生まれる
1987年 京都大学法学部卒業
1994年 京都大学大学院法学研究科博士後期課程研究指導認定退学,博士(法学)
現在 同志社大学法学部教授,専門はイギリスおよびアイルランド現代政治
主著
『イギリスの選択:欧州統合と政党政治』(木鐸社,1996年)
『ユーロとイギリス:欧州通貨統合をめぐる二大政党の政治制度戦略』(木鐸社,2003年)

内容紹介

 本書の対象時期は,スコットランド議会の設立以降であるが,その間の政党政治に関する最も大きな変化は,長期にわたって支配的地位を維持してきたスコットランド労働党が急速に衰退し,逆に長い間,泡沫政党の地位に甘んじていたSNPが勢力拡大を遂げて,今や優位政党となったことである。
 その契機は,国政レヴェルの労働党政権が実施した1999年の権限移譲改革であった。2014年の住民投票までの15年で,スコットランドの政党政治は分権改革以前とは一変した。

目次
序章 多層ガヴァナンスと政党政治
 はじめに
1 地域分権と政党
2 領域政治と政党
3 多層ガヴァナンスにおける政党戦略
4 本書の構成
第一章 スコットランド労働党 ~スコットランドにおける支配的地位の喪失~
 はじめに
1 労働党の誕生とスコットランドにおける支配的地位の獲得
2 権限移譲改革と労働党
3 権限移譲への組織的適応
4 権限移譲と選挙戦略
5 権限移譲と政権戦略
6 分離独立住民投票
7 SNPの「津波」
第二章 スコットランド保守党  ~「反スコットランド的」イメージ解消に向けた「汚名返上戦略」~
 はじめに
スコットランド統一党からスコットランド保守党へ
2 権限移譲の消極的受け入れと党勢の停滞
3 汚名返上戦略
4 2011年党首選挙
5 分離独立住民投票
6 分離独立住民投票後のスコットランド保守党
 おわりに
第三章 スコットランド自由民主党 ~異なるレヴェルの連立政治に対する小政党の対応~
 はじめに
1 スコットランドにおける自由党の衰退
2 権限移譲改革
3 労働党との連立政権
4 分離独立住民投
5 存続の危機
 おわりに
第四章 スコットランド国民党 ~「柔らかいナショナリズム」を通じた支配的地位の確立~
 はじめに
1 SNPの結成から躍進まで
2 ヨーロッパの中の独立
3 権限移譲の実現と政権政党への道
4 柔らかいナショナリズム
5 分離独立住民投票
6 スコットランドの支配政党
 おわりに
第五章 分離独立住民投票 ~アイルランドの分離独立とケベックにおける分離独立住民投票との比較の視点から~
 はじめに
1 イギリスとスコットランド
2 スコットランドの歴史:なぜスコットランドはイギリスの一部となったのか
3 アイルランドとの違い:イングランドの「植民地」か,あるいは「パートナー」か
4 分離独立の政治:なぜ先進国では分離独立が見られないのか
5 カナダ,ケベック州における分離独立住民投票
6 スコットランド独立をめぐる対照的な将来像
7 EU加盟問題
8 通貨問題と「恐怖のプロジェクト」
 おわりに
終章 EU離脱とスコットランド政党政治
参考文献
1 日本語文献
2 英語文献
あとがき
人名索引

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