『戦後日本地方政治史論:二元代表制の立体的分析』
ISBN: 978-4833224826
著者紹介
辻 陽(つじ あきら)
1977年 大阪府生まれ
1999年 京都大学法学部卒業
2003年 京都大学大学院法学研究科博士課程中退,同研究科助手,近畿大学法学部講師を経て,
2009年 近畿大学法学部准教授(現在に至る)
主要論文
「政界再編と地方議会会派-「系列」は生きているのか-」『選挙研究』第24巻第1号(2008年)
「日本の知事選挙に見る政党の中央地方関係」『選挙研究』第26巻第1号(2010年),他
内容紹介
本書は,日本の地方自治制度に注目しつつ,戦後60余年間にわたる地方政治を追跡する。中央レベルの政治と対比することで,その共通性と独自性をあぶり出し,国政政党が地方レベルでどの程度その目的を達したかを確認する。すなわち知事,議会の両者における党派性に注目しながら,時代ごとの変化を明らかにし, 47都道府県間に見られる共通点と相違点を示す。
分析の焦点は,第一に,国政レベル・地方政治レベル双方における党派性のあり方の比較,第二は,地方政治の対立軸の現れ方,第三は,日本の地方制度における二元代表制である。日本の戦後60余年間における全 47都道府県について同じ資料を用いて分析対象に取り込み,通時的比較と共時的比較を行い,知見の一般化を図る。
目次 | |
---|---|
はしがき | |
第Ⅰ部 地方政治研究における本書の位置づけ | |
第1章 地方「制度」と地方「政治」 | |
第1節 地方レベルにおいて政党政治を分析する意義 第2節 二元代表制分析の視角:「制度」と「政治」 第3節 地方政治の対立軸 第4節 分析対象 第5節 本書の構成 |
|
第Ⅱ部 知事選挙 1947~2013 | |
第2章 知事選挙の時期別分析 | |
第1節 検討課題 第2節 第Ⅰ期の知事選挙(1947~1959) 第3節 第Ⅱ期の知事選挙(1959~1975) 第4節 第Ⅲ期の知事選挙(1975~ 1991) 第5節 第Ⅳ期以降の知事選挙(1991~2013) 第6節 まとめ |
|
第3章 知事選挙の県別分析 | |
第1節 検討課題 第2節 各都道府県における知事選挙 第3節 知事選パターンによる類型化 第4節 まとめ |
|
第Ⅲ部 都道府県議会の会派構成 1947~2013 | |
第4章 議会会派の県別分析 | |
第1節 検討課題 第2節 各都道府県における議会会派構成の変化 第3節 分析とまとめ |
|
第5章 議会会派の時期別分析 | |
第1節 第Ⅰ期の議会会派構成(1947~1959) 第2節 第Ⅱ期の議会会派構成(1959~1975) 第3節 第Ⅲ期の議会会派構成(1975~1991) 第4節 第Ⅳ期以降の議会会派構成(1991~2013) 第5節 まとめ |
|
第Ⅳ部 知事と都道府県議会の関係 1947~2013 | |
第6章 日本の地方制度と首長-議会関係を分析する理論枠組 | |
第1節 首長と地方議会との関係を分析する理論枠組 第2節 分析対象と定義 |
|
第7章 知事-議会関係の計量的分析 | |
第1節 仮説 第2節 知事提出議案分析の焦点 第3節 知事提出議案結果の分析 第4節 まとめ |
|
第8章 知事-議会関係の定性的分析 | |
第1節 検討課題と予備的考察 第2節 各県の知事-議会関係 第3節 分析とまとめ |
|
第Ⅴ部 結論と含意 | |
第9章 日本の国政と地方政治 | |
第1節 知見のまとめ 第2節 地方政治の国政への接近と乖離,自立 第3節 残された課題と将来の展望 |
|
あとがき | |
索引 |