『有権者の選択:日本における政党政治と代表制民主主義の行方』
<変動期における投票行動の全国的・時系列的調査研究>
英題:The Electorates’ Choice:The Future of Party Politics and Representative Democracy in Japan
A5判288頁定価:本体3500円+税 ISBN978-4-8332-2480-2 C3031
2015年1月22日刊行
著者紹介
平野 浩(ひらの ひろし)
1959年 大阪府生れ
1988年 学習院大学大学院政治学研究科博士課程修了(政治学博士)
現在 学習院大学法学部教授
主要著書
『変容する日本の社会と投票行動』木鐸社,2007年
『アクセス日本政治論』日本経済評論社,2003年
『現代の政党と選挙』(共著)有斐閣,2001年
内容紹介
本書は、〈変動期における投票行動の全国的・時系列的調査研究〉の成果である。第一部で,「選択の主体」である「有権者」とはどのような人たちなのかを「ミリュー」という概念で捉え,12のミリューに分類してその実態を明らかにし、第二部で,この有権者と政党との関係を,(1)政策、(2)職業的利益、(3)政治的な関係,という3側面から分析し,政党が有権者の中にどのような形で根を下ろしているのか明らかにする。第三部で,有権者の目から見た政党間競争の構造とその構造の中で自分たちの投票を通じて何を選択しているのかを明らかにする。終章で日本の政党政治と代表制民主主義の将来を展望する。
目次 | |
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序章 なぜ「政党政治」と「代表制民主主義」なのか | |
1 はじめに 2 分析対象とするデータ |
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第一部 選択の主体:ミリュー概念から見た有権者像 | |
第1章 ミリューの析出 | |
1 はじめに 2 ミリュー析出に用いる変数 3 二次的因子分析により因子得点の算出 4 クラスター分析によるミリューの析出 5 まとめ |
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第2章 ミリューと政治意識・政治行動 | |
1 はじめに 2 各ミリューの党派的志向 3 各ミリューの政治意識・政治行動 4 考察とまとめ |
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第3章 2大政党間での投票移動と政治的ミリュー | |
1 はじめに 2 2005年衆院選から2009年衆院選にかけての投票移動 3 2009年衆院選から2010年参院選にかけての投票移動 4 3回の選挙を通じた投票移動 5 まとめ |
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補論1 政権交代前後におけるイデオロギーの構造変容 | |
1 はじめに 2 イデオロギー構造の変化 3 四つのイデオロギー次元と保革自己イメージ 4 まとめ |
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第二部 選択の対象:政党間競争と有権者 | |
第4章 政策を媒介とした政党-有権者関係 | |
1 はじめに 2 「政策がすぐれた政党」の認知と支持政党・投票政党 3 争点態度の構造と各党支持者の政策位置 4 支持政党別に見た各党の政策位置の認知 5 2大政党への支持・投票と政策選好 6 まとめ |
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第5章 職業利益を媒介とした政党-有権者関係 | |
1 はじめに 2 職業的属性と支持政党 3 職業利益代表政党に関する認知 4 回答者自身の職業カテゴリーと職業利益代表政党の認知 5 職業利益代表政党の認知と2大政党への支持 6 まとめ |
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第三部 選択の意味:有権者は何を選択しているのか | |
第7章 党派的対立軸の構造 | |
1 はじめに 2 分析の方法 3 主観的な党派対立軸 4 世代別に見た党派対立軸の構造 5 まとめ |
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第8章 党派的態度と政党選択 | |
1 はじめに 2 党派的選好変数の作成 3 党派的選好と政策・価値・イデオロギー的選好の関連 4 感情温度差の説明モデル 5 感情温度差と投票行動 6 まとめ |
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第9章 2大政党間の選択の意味 | |
1 はじめに 2 感情温度差の規定要因 3 感情温度差と投票行動 4 まとめ |
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補論2 世代と政治的記憶 | |
1 はじめに 3 政治的記憶の内容 4 回答者の属性と政治的記憶 5 「概念」レベルにおける記憶の構造 6 党派的態度と記憶 7 政治意識と記憶 8 まとめ |
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終章 日本における「政党政治」と「代表制民主主義」の行方 | |
1 本書で得られた知見 2 今後の日本における政党政治と代表制民主主義 3 暫定的結論 |
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補論3 業績投票と合意争点型政治 | |
1 はじめに 2 政権交代期における業績投票 3 政権交代器における経済投票 4 合意争点政治の投票行動モデル |
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付録 | |
参考文献 | |
あとがき | |
索引 |