『日本と中国のレアアース政策』
A5判206頁定価:本体2500円+税 ISBN978-4-8332-2469-7 C3031
2013年10月17日刊行
著者紹介
福田 一徳(ふくだ かずのり)
1976年 静岡市生まれ
2000年 東京大学経済学部卒業,通商産業省入省
2006年6月~2009年5月 経済産業省製造産業局非鉄金属課にてレアアース対策の立案及び実施を担当
2010年 東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻博士後期課程修了,博士(工学)
現 在 東京大学大学院農学生命科学研究科特任講師
内容紹介
レアアースをめぐる問題は,貿易・産業・環境・国際政治・国際法等の様々な分野に関わり学際的であるが,日本のレアアースに関する研究は,従来ほぼ材料工学や地質学をはじめとする自然科学の領域に限定されてきた。
本書の主題は,日本及び中国のレアアース政策である。最近のレアアースをめぐる国際情勢は,中国による輸出規制の強化と,それに対する主要消費国の反応を軸として展開している。世界最大のレアアース生産国及び消費国である中国と,世界第二のレアアース消費国である日本のレアアース政策の詳細な内容を把握し,その目的を分析することは,レアアースをめぐる情勢を正確に理解する上で不可欠である。
目次 | |
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はじめに | |
第1章 レアアースに関する基本情報 | |
1.本章の構成 2.レアアースの定義 3.レアアースの用途 4.レアアースの供給 5.レアアースの需要 6.レアアースの価格 7.レアアースに関する6つのキーワード |
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第2章 中国のレアアース政策 | |
1.本章の構成 2.中国政府による主な措置の内容 2.1 輸出規制 2.1.1 輸出許可証による輸出管理 2.1.2 輸出税の賦課 2.1.3 増値税の還付撤廃 2.1.4 レアアース輸出の停滞 2.2 生産規制 2.3 環境規制 2.4 業界再編 2.5 その他の措置 2.5.1 外資規制 2.5.2 資源税 2.5.3 備蓄 3.中国のレアアース政策の目的 3.1 中国のレアアース産業の課題 3.2 中国のレアアース政策の基本方針 3.3 課題と基本方針の関係 3.4 個別の措置の目的 |
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第3章 輸出規制とWTO協定 | |
1.本章の構成 2.WTOの概要 3.WTOの紛争解決手続 4.輸出規制に関する過去の紛争案件 4.1 日米半導体協定事件、アルゼンチン皮革事件 4.2 中国原材料輸出規制事件 4.2.1 概要と経緯 4.2.2 主な争点 4.2.3 関連条文 4.2.4 パネル報告書 4.2.4.1 輸出税について 4.2.4.2 輸出数量制限について 4.2.5 上級委員会報告書 5.中国レアアース等輸出規制事件 5.1 概要と主な争点 5.2 中国によるレアアース輸出規制とWTO協定との関係 5.3 勧告の履行に関する問題 6.紛争解決手続を利用する意義 |
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第4章 日本のレアアース政策 | |
1.本章の構成 2.資源対策に関する日本政府の基本方針 2.1 新・国家エネルギー戦略 2.2 資源戦略研究会報告書 2.3 レアメタル対策部会報告書 2.4 資源確保指針 2.5 レアメタル確保戦略 2.6 エネルギー基本計画 2.7 レアアース総合対策 2.8 資源確保戦略 3.レアアース対策の内容 3.1 海外資源確保 3.2 リサイクル 3.3 代替材料開発・使用量低減技術開発 3.4 国内立地支援 3.5 備蓄 3.6 二国間・多国間の枠組を通じた対話や紛争解決等の取組 4.今後の課題 |
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引用文献 | |
おわりに | |
索引 |