『ドイツ移民問題の現代史:移民国への道程』
A5判260頁定価:本体3000円+税 ISBN978-4-8332-2464-2 C3022
2013年7月9日刊行
著者紹介
近藤 潤三(こんどう じゅんぞう)
1948年 名古屋市生まれ
1970年 京都大学法学部卒業
現在 愛知教育大学名誉教授教 博士(京大)
著書
『統一ドイツの変容:心の壁・政治倦厭・治安』1998年,木鐸社
『統一ドイツの外国人問題:外来民問題の文脈で』2002年,木鐸社
『統一ドイツの政治的展開』2004年,木鐸社
『移民国としてのドイツ:社会統合と平行社会のゆくえ』2007年,木鐸社
『東ドイツ(DDR)の実像:独裁と抵抗』2010年,木鐸社
『ドイツ・デモクラシーの焦点』2011年,木鐸社
内容紹介
わが国との共通面が多いと考えられているドイツは,移民問題については全く異なる地点にある。このことは、歴史的経緯の面でも現在の到達点でも当てはまる。
本書は歴史的経緯に重心を置き,ドイツが流入であれ流出であれ大規模で多彩な移動の国だったことを明らかにしたもの。その際,第1の1945年までの近代史と第2の1990年までの戦後史を併せて現代史として一括し,主要な集団に即して個別に叙述し,ドイツの移民史を概観する。
目次 | |
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序章 移民国ドイツへの接近―「外国人」と「移民」に即して | |
1. 「外国人」と「移民」 2. 本書の範囲と構成 |
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第Ⅰ部 歴史の中の移民問題-第二次世界大戦終結まで | |
第1部のあらまし | |
第1章 移民問題の歴史的輪郭 | |
はじめに 1. 領土の変遷と移民・移住者問題 2. ドイツ近現代史と移民・外国人の多様性 |
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第2章 移民流出国から労働輸入国へ-第二次世界大戦終結まで | |
はじめに 1. 移民流出国としてのドイツ-流入と流出の軌跡 2. 労働輸入国への転換-19世紀終盤から20世紀へ 3. 外国人管理体制の確立-ヴァイマル期からナチス期まで |
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第3章 ロシア帝国・ソ連の独系人-アオスジードラーの系譜 | |
はじめに 1. ロシア帝国への移住-18・19世紀 2. ロシア帝国の独系人 3. 二つの世界大戦の間の独系人 |
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第Ⅱ部 戦後ドイツの移民問題-ドイツ統一まで | |
第2部のあらまし | |
第4章 第三帝国の崩壊と避難民・被追放民 | |
はじめに 1. 第二次世界大戦末期の避難民 2. 第三帝国崩壊後の被追放民 |
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第5章 ドイツ分断とユーバージードラー | |
はじめに 1. ユーバージードラー問題の輪郭 2. DDR建国からベルリンの壁建設まで:前期 3. ベルリンの壁建設から崩壊まで:後期 |
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第6章 外国人労働者の戦後史-外国人労働者から外国人へ | |
はじめに 1. 外国人労働者の導入:第1期 2. 募集停止と外国人の定住化:第2期 3. 外国人に関する法制 |
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第7章 東ドイツ(DDR)の外国人労働者 | |
はじめに 1. 外国人労働者導入の経過と背景 2. 労働現場の外国人労働者 3. 社会的隔離の中の外国人労働者 |
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第8章 ソ連とポーランドの独系人-アオスジードラーの流入 | |
はじめに 1. 独ソ戦開始後のソ連の独系人 2. 戦後ソ連の独系人 3. ポーランドの独系人 |
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終章 移民国を展望して | |
1. ドイツ現代史と移民問題の錯綜 2. 移民国への転換 |
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あとがき | |
参照した文献一覧 | |
索引 |