『現代日本のNPO政治:市民社会の新局面』
英題:The Politics of Non-Profit Organizations in Contemporary Japan:A New Stage of Civil Society
A5判300頁:本体3000円+税 ISBN978-4-8332-2454-3 C3033
2012年5月31日刊行
著者紹介
辻中 豊(つじなか ゆたか)
現在 筑波大学副学長(国際担当),人文社会系教授
坂本 治也(さかもと はるや)
現在 関西大学法学部准教授
山本 英弘(やまもと ひでひろ)
現在 山形大学地域教育文化学部講師
足立 研幾(あだち けんき)
現在 立命館大学国際関係学部准教授
久保 慶明(くぼ よしあき)
現在 筑波大学人文社会系助教
内容紹介
本書は,従来の研究では十分解明されてこなかったNPOの活動実態および政治との関係構造を,政治学の利益団体研究や市民社会研究の分析視角に立脚しつつ,体系的に分析するもの。本書は,筆者らが行っている日本の利益団体・市民社会組織に関する広範な実証的研究の一環であり,NPOという日本の市民社会における最も新しい一部分を分析することによって団体と政治の関係が現在どう変容しつつあるのかを探る。
目次 | |
---|---|
まえがき 辻中豊 | |
第1章 NPO政治の分析視角 (坂本治也・辻中豊) | |
1. 市民社会とNPO 2. JIGSプロジェクトにおけるNPOの位置 3. NPO調査の意義 4. NPOの政治学的分析 5. 本書の構成 |
|
第2章 NPOの形成局面 (坂本治也) | |
1. 時系列の視点からみたNPOの形成 2. 地理的分布の視点からみたNPO形成 3. 政治・行政とNPOの形成 4. 本章のまとめ |
|
第3章 NPOの価値志向と存立様式 (山本英弘) | |
1. NPOの存立様式 2. NPOの価値志向 3. NPOのリソース 4. NPOの構成員と組織構造 5. 本章のまとめ |
|
第4章 政治過程におけるNPO (坂本治也) | |
1. 利益団体としてのNPO 2. NPOの政治過程との接触面 3. NPOの政治行動の規定要因 4.本章のまとめ |
|
第5章 NPOの政治的影響力とその源泉 (坂本治也) | |
1. NPOの政治的影響力の現状 2.NPOの情報力 3.NPOのネットワーク力 4.アウトサイド・ロビイングによる世論動員 5.政治的影響力の規定要因 6.本章のまとめ |
|
第6章 ローカル・ガバナンスの中のNPO (山本英弘) | |
1.はじめに 2.NPOと様々なアクターとの関係 3.NPOと自治体・議員との関係 4.NPOの行政との関係についての認識 5.本章のまとめ |
|
第7章 NPOによる市民社会の補完と開拓:福祉,教育,地域づくり分野の分析 (久保慶明・山本英弘) | |
1.NPOは社会に何をもたらすのか 2.NPO、社会団体、市民団体を比較する 3.福祉分野 4.教育分野 5.地域づくり分野 6.NPOの新しさとは |
|
第8章 NPO法人格の積極的利用者?:世界志向NPOの活動・存立様式 (足立研幾) | |
1.国際NGO、世界志向団体、世界志向NPO 2.世界志向NPO法人の活動分野・活動地域 3.世界志向NPOの組織基盤 4.専門知識を背景とした行政からの自律性追求? 5.国際的ネットワーキングとマスメディア利用 6.自律的なアドボカシーを追求する世界志向NPO |
|
第9章 結論 (辻中豊・山本英弘・坂本治也) | |
1.本書の課題 2.主な知見の整理 3.知見の含意 4.エピローグ:民主党政権下でのNPOに関する政策、新しい動向 |
|
参考文献 | |
付録1:NPO調査の設計と実施 | |
付録2:NPO調査・調査票 | |
アブストラクト | |
索引 |