『ドイツ・デモクラシーの焦点』
英題:Focuses of Democracy in Germany
A5判420頁定価:本体4000円+税 ISBN978-4-8332-2447-5 C3022
2011年9月22日刊行
著者紹介
近藤 潤三(こんどう じゅんぞう)
1948年 名古屋市生まれ
1970年 京都大学法学部卒業
現在 愛知教育大学教授
著書 『統一ドイツの変容:心の壁・政治倦厭・治安』1998年,木鐸社
『統一ドイツの外国人問題:外来民問題の文脈で』2002年,木鐸社
『統一ドイツの政治的展開』2004年,木鐸社
『移民国としてのドイツ:社会統合と平行社会のゆくえ』2007年10月,木鐸社
『東ドイツ(DDR)の実像:独裁と抵抗』2010年10月,木鐸社
内容紹介
ドイツは統一以来20年を経過した。本書は統一以前とは区別される以後の現代ドイツの変容とそれがが抱える政治的・社会的難問を,社民党の危機,社会国家の再編問題,過去の克服問題,モスク建設紛争,左右の過激派問題として取り上げ,分析・考察する。
目次 | |
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序章 ドイツ現代政治と本書の視座 | |
1. 本書の主眼 2. 本書の構成 3. 本書の位置 |
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第1部 ドイツ現代政治の変容 | |
第1章 ドイツにおける社会民主党の危機―SPDの党首交代に即して | |
はじめに 1. 近年のSPD党首交代の特徴 2. ドイツ統一後のSPD歴代党首 3. SPDにおける党首交代の分析 4. 国民政党の危機 結び |
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第2章 ドイツ社会国家の再編と「月曜デモ」―政治的対抗軸の変容 | |
はじめに 1. ハルツIV法の要点と成立過程 2. 月曜デモの経過 (1)失業手当IIと名称問題 (2)月曜デモの経過 (3)世論調査からみた月曜デモ 3.月曜デモ参加者のプロフィル (1)年齢,学歴,職業 (2)政治的傾向 (3)脱物質主義 4. 月曜デモの要因と注目点 結び |
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第3章 過去の克服をめぐる政治力学―エティンガー失言問題を例に | |
はじめに 1. 失言問題の発端と概略 2. 批判の噴出とエティンガーの退却 3. エティンガーの謝罪表明 4. 再起の模索 5. 政治過程の注目点 6. 失言問題の顛末とプチ・ナショナリズム-結びに代えて 付記 |
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第4章 モスク建設紛争と地域政治―ケルンにおける政治過程 | |
はじめに-モスク建設紛争への視点 1. 移民をめぐる最近の紛争 2. ケルンにおけるモスク建設紛争の前史 3. モスク建設紛争の拡大と政治化 4. モスク建設をめぐる政治的配置とその変化 5. CDUの分裂とイスラム化反対会議の失敗 6. モスク建設紛争の政治過程とその特徴-結びに代えて |
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第2部 現代ドイツの過激派問題 | |
第5章 現代ドイツの右翼問題-1992年秋の時点で | |
はじめに 1. 右翼勢力の現状 2. 旧東ドイツ地域の青年層 (1)主要問題への青年層の態度 (2)青年層の心理構造 3. 右翼政党支持の構造 (1)ドイツ政治の長期トレンドと抗議票 (2)右翼政党支持者のプロフィル (3)右翼政党支持の心理 4. ドイツ政治右傾化の見通し 結び |
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第6章 統一ドイツの排外暴力と政治不信-ロストックからメルンまで | |
はじめに 1. ロストック事件後の社会的状況 2. 政党と政治家の反応 3. 世論調査に表れた一般市民の意識 4. 排外暴力に対する抗議行動 5. メルン事件の衝撃と政治不信の拡大 6. 政治的取り組みの本格化―極右団体の禁止 (1)民族主義戦線(NF) (2)ドイツの選択(DA) (3)民族的攻勢(NO) 結び |
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第7章 現代ドイツの極左勢力の動向-自律派を中心に | |
はじめに 1. 極左勢力の現況 2. 自律派の形成と発展 3. 自律派のイデオロギー的傾向と組織構造 (1)イデオロギー的傾向 (2)組織構造と出版・コミュニケーション活動 (3)自律派の規模と社会的特性 4. 自律派の活動領域 (1)反ファシズム・反人種主義 (2)反帝国主義・反植民地主義 (3)構造変革に対する闘争 (4)反原発闘争 結び |
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終章 ドイツ現代政治研究の課題 | |
1. 現代政治研究と現代史 2. ドイツ現代政治研究の課題と研究手法 |
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あとがき | |
索引(人名・事項) |