木鐸社

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『著作権法改正の政治学:戦略的相互作用と政策帰結』

英題:Analyzing the Politics of Copyright Law Revision:Strategic Interactions and Policy Outcomes in the Low-salience Policy Areas of Japanese Politics
A5判270頁定価:本体3500円+税 ISBN978-4-8332-2449-9 C3031
2011年12月2日刊行

著者紹介

京 俊介(きょう しゅんすけ)
1982年 愛知県に生れ,大阪府で育つ
2005年 大阪大学法学部卒業
2009年 大阪大学大学院法学研究科博士後期課程修了 博士(法学)
現在 中京大学法学部専任講師
論文
「著作権政策形成過程の分析(一・二):利益団体,審議会,官庁の行動による法改正メカニズムの説明」『阪大法学』57巻2号・3号(2007年)
「政策形成に対する利益集団の影響力:著作権法全面改正における事例間比較」『阪大法学』58巻5号(2009年)

内容紹介

 多くの有権者,政治家にとって極めて専門的な内容であるロー・セイリアンスの政策分野の一つに著作権法・知的財産政策がある。本書は著作権法改正過程を巡る政治家,官庁,利益集団,外国の戦略的相互作用をゲーム理論を用いて分析し,その上でそれらを民主的手続きの正当性の観点から考察する。

目次
はじめに
序章 本書の課題
 0.1 本書の問題関心
  0.1.1 著作権政策分野の特徴と研究の意義
  0.1.2 ロー・セイリアンスの政策分野の研究の意義
 0.2 先行研究の検討
  0.2.1 著作権法・知的財産法研究
  0.2.2 政治学・行政学
  0.2.3 本書の分析視角
 0.3 本書の構成
第1章 分析枠組み
 1.1 方法論についての検討
 1.2 ロー・セイリアンスの政策帰結に影響する要因
  1.2.1 制度的要因
  1.2.2 アクター
  1.2.3 官庁・利益集団・政治家の相互作用
 1.3 政策形成過程のゲーム理論的モデルと本書の仮説
  1.3.1 ゲームの仮定
  1.3.2 ゲームの均衡
  1.3.3 均衡から導かれる3つの仮説
 1.4 著作権法改正過程にモデルを適用するための仮定
  1.4.1 文化庁
  1.4.2 利益集団
  1.4.3 自民党
  1.4.4 情報
 1.5 著作権法改正過程の事例の概要
  1.5.1 著作権法改正過程の通史
  1.5.2 とりあげる事例
 1.6 小括
 1.7 補論:コンピュータ・プログラム著作権の創設
  1.7.1 背景
  1.7.2 対立の発生
  1.7.3 1970年代~1980年代における海外の動向
  1.7.4 通産省と文化庁の対立の再燃
  1.7.5 アメリカとの摩擦
  1.7.6 法案提出見送り~決着へ
  1.7.7 まとめ
 1.8 補遺:政策形成ゲームの数学的証明
第2章 著作権法全面改正
 2.1 背景と概要
 2.2 写真の保護期間
  2.2.1 背景・政策案の変遷・政策帰結
  2.2.2 アクターの理想点
  2.2.3 仮説の検証
 2.3 レコード製作者の保護水準
  2.3.1 背景・政策案の変遷・政策帰結
  2.3.2 アクターの理想点
  2.3.3. 仮説の検証
 2.4 応用美術の保護
  2.4.1 背景・政策案の変遷・政策帰結
  2.4.2 アクターの理想点
  2.4.3 仮説の検証
 2.5 レコード二次使用の範囲
  2.5.1 背景・政策案の変遷・政策帰結
  2.5.2 アクターの理想点
  2.5.3 仮説の検証
 2.6 映画の著作者・著作権者
  2.6.1 背景・政策案の変遷・政策帰結
  2.6.2 アクターの理想点
  2.6.3 仮説の検証
 2.7 小括
第3章 レコード貸与権の創設
 3.1 背景と政策帰結
 3.2 アクターの理想点
 3.3 政策形成過程
  3.3.1 貸レコード店の出現と訴訟
  3.3.2 貸レコード暫定措置法の成立
  3.3.3 著作権法改正:貸与権の創設
  3.3.4 貸レコードの利用に関する秩序の形成とアメリカとの摩擦
 3.4 小括
  3.4.1 政策形成過程の要約
  3.4.2 仮説の検証
第4章 私的録音録画補償金制度の導入
 4.1 背景と政策帰結
 4.2 アクターの理想点
 4.3 政策形成過程
  4.3.1 著作権審議会第5小委員会
  4.3.2 著作権問題に関する懇談会
  4.3.3 著作権審議会第10小委員会
  4.3.4 私的録音・録画問題協議会
 4.4 小括
  4.4.1 政策形成過程の要約
  4.4.2 仮説の検証
第5章 音楽CD還流防止措置の導入
 5.1 背景と政策帰結
 5.2 アクターの理想点
 5.3 政策形成過程
  5.3.1 審議会以前の動き
  5.3.2 法制問題小委員会
  5.3.3 著作権法改正:還流防止措置の導入
 5.4 小括
  5.4.1 政策形成過程の要約
  5.4.2 仮説の検証
第6章 私的録音録画補償金制度の見直し
 6.1 背景と政策帰結
 6.2 アクターの理想点
 6.3 政策形成過程
  6.3.1 法制問題小委員会
  6.3.2 私的録音録画小委員会
 6.4 小括
  6.4.1 政策形成過程の要約
  6.4.2 仮説の検証
終章 著作権法改正過程からみた日本政治
引用文献
あとがき
アブストラクト
索引

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