『ローカル・ガバナンス:地方政府と市民社会』
現代市民社会叢書第3巻
英題:Local Governance: Local government and Civil Society
A5判256頁定価:本体3000円+税 ISBN978-4-8332-2429-1 C3031 3月31日発行
著者紹介
<編著>
辻中 豊
伊藤 修一郎
内容紹介
本書は,市民社会の観点を踏まえた基礎自治体と呼ばれる市区町村,つまり地方政府と様々なアクター(ステイクホルダー)による市民社会組織との相互関係からなるローカル・ガバナンスの実証的研究。地方分権改革の流れと地方政府の財政逼迫の中で,住民自治への機運が高まっている。様々な市民団体による地域活動,行政と住民との連携や協働とこれらに伴う制度整備が模索され,市民が様々な団体・結社に積極的に参加することにより,民主的な政治・社会の運営が行われる。
目次 | |
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序章(辻中 豊) | |
第1章 ガバナンス論の展開と地方政府・市民社会 ―理論的検討と実証に向けた操作化―(伊藤修一郎・近藤康史) | |
1.はじめに 2.ガバナンス論と国家-社会関係 3.ローカル・ガバナンス概念の操作化 4.リサーチ・クエスチョンの提示 |
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第2章 ガバナンス概観 ―政策過程における多様な主体の参加と影響力―(山本英弘) | |
1.本章の位置づけ 2.政策過程への市民参加 3.政策過程における影響力構造 4.まとめと考察 |
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第3章 影響力構造の多元化と市民社会組織・審議会(久保慶明) | |
1.本章の位置づけ 2.先行研究 3.影響力構造のパターン:最大影響力を持つのは誰か? 4.市民社会組織の影響力と参加 5.まとめと考察 |
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第4章 地方政府における外部委託の状況(柳 至) | |
1.本章の位置づけ 2.外部委託の状況 3.多くの委託を行っている市区町村の特徴 4.まとめと考察 |
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第5章 参加制度の導入と市民社会組織の政策参加(柳 至) | |
1.本章の位置づけ 2.参加制度の導入状況とその内容 3.参加制度の波及状況 4.浦安市における市民会議の実施過程 5.参加制度の導入と市民社会組織の政策参加 6.まとめと考察 |
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第6章 市区町村職員をとりまくネットワーク(久保慶明) | |
1.本章の位置づけ 2.分析の視点と方法 3.ネットワークの開放性 4.市民社会組織との相互行為 5.ネットワークはどのようにして活性化するか? 6.まとめと考察 |
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第7章 地方議会の現状 ―代表,統合,立法機能の観点から―(濱本真輔) | |
1.本章の位置づけ 2.地方議会を取り巻く文脈と論点 3.縮小,補完される代表制 4.透明性の向上と停滞する立法支援体制の充実 5.まとめと考察 |
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第8章 二元代表の関係性 ―選挙・議会レベルからの検討―(濱本真輔) | |
1.本章の位置づけ 2.先行研究の検討 3.地方議会における党派性,支持関係 4.政党の推薦行動の要因 5.首長-議員間の影響力関係 6.まとめと考察 |
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第9章 市区町村職員のガバナンス意識(山本英弘) | |
1.本章の位置づけ 2.職員のガバナンス意識 3.市民参加の望ましい方法 4.市民社会組織に対する意識 5.まとめと考察 |
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第10章 市区町村におけるパフォーマンスの測定(横山麻季子) | |
1.本章の位置づけ 2.市区町村のパフォーマンスの測定に関する調査・先行研究の考察 3.パフォーマンス指標の作成 4.指標の傾向 5.まとめと考察 |
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第11章 ローカル・ガバナンスの現況と公共サービスへの効果(伊藤修一郎) | |
1.主体の参加と影響力 2.主体間の相互行為 3.ガバナンスの効果 4.まとめと考察 |
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終章:市民社会論への示唆(辻中 豊) | |
1. 行政媒介型市民社会の広がり 2. 下請け論への2つの修正 3. 「新しい公共」への動き |
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引用文献 | |
付録:4部署における調査票の構成 | |
アブストラクト | |
索引 |