『自由民主党の誕生:総裁公選と組織政党論』
A5判350頁定価:本体4500円+税 ISBN978-4-8332-2427-7 C3031
2010年3月5日発行
著者紹介
小宮 京(こみや ひとし)
1976年生
2005年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程,単位取得退学
現在 東大大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター原資料部助教
主要論文
「鳩山一郎と政党政治 1883-1943」『本郷法政紀要』第11号,2002年
「吉田茂の政治指導と党組織」『日本政治研究』第2巻第1号,2005年
内容紹介
本書は,2000年代以降に日本が経験した「分裂議会(divided Diet)」を対象として,その発生が閣法の立法過程にどのような影響をおよぼすのかを包括的に捉えようと試みた。 分析の視点を閣法提出者としての内閣および各省庁の側におき,国会過程だけでなく,閣法が国会へ提出される以前の国会前過程までを射程に入れて,分裂議会の発生が閣法提出者の立法準備にどのような変化をもたらしているのかを観察した。 第一に,閣法の選別,第二に,閣法の根回しについて,第三に,閣法の国会提出。 以上の分析結果は,いずれも分裂議会において閣法提出者の立法行動が抑制的になっていることを示紙し,法案が国会に提出されてからの国会過程だけに射程を限定した分析では捉えることのできない非決定の一端を明らかにする。
目次 | |
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はじめに | |
第1章 戦後政党政治の復活 | |
序節 戦前保守党の党組織と総裁公選の起源 (1)戦前保守党の党組織 (2)戦前保守党における総裁公選 第1節 日本自由党 (1)日本自由党の結成 (2)鳩山追放と吉田新総裁下での党内「民主化」運動 (3)日本自由党の党組織 第2節 日本進歩党 (1)日本進歩党の結成 (2)進歩党少壮派と役職公選論 (3)日本進歩党の党組織 第3節 政党の「民主化」 |
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第2章 自由党系の党組織と党中央組織の整備 | |
第1節 党三役の成立と変容 (1)党内基盤の確立 (2)党三役の成立 (3)役職公選論の展開 第2節 独立後の吉田政治 (1)公職追放解除前後の党内状況 (2)吉田派の動揺と鳩山派の挑戦 (3)1953年党則改正の政治過程 第3節 吉田内閣総辞職の政治過程 (1)吉田と緒方の対立 (2)鳩山復党と党内多数派工作 (3)吉田内閣総辞職へ |
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第3章 第二保守党系の党組織と役職公選論の展開 | |
第1節 民主党から国民民主党へ (1)民主党 (2)協同党系 (3)国民民主党の結成 第2節 公職追放解除から改進党へ (1)改進党の結成 (2)重光葵総裁時代 (3)改進党における役員改選 第3節 日本民主党と鳩山内閣成立 (1)日本民主党の結成 (2)日本民主党の党組織 |
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第4章 自由民主党の党組織と総裁公選の定着 | |
第1節 自由民主党 (1)保守合同過程における総裁公選論 (2)自由民主党の党組織 第2節 第1回総裁公選 第3節 第2回・第3回総裁公選 (1)総裁公選実施へ (2)第2回総裁公選 (3)第3回総裁公選 |
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おわりに | |
資料および文献について | |
関係年表 | |
あとがき | |
索引 |