『公共経営論』
A5判438頁定価:本体4500円+税 ISBN4-8332-2424-6 C3034
2010年2月15日刊行
著者紹介
田尾 雅夫(たお まさお)
1946年 香川県生まれ
京都大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業
京都大学文学研究科(心理学専攻)修了
博士(京都大学,経済学)
著書 『行政サービスの組織と管理』(木鐸社,1990年)
『セルフヘルプ社会』(有斐閣,2007年)
2008年以降,愛知学院大学経営学部教授
内容紹介
少子高齢の現代日本社会で果たす公共セクターの役割は今後,いっそう大きくなる。
膨らむ一方の需要に対して,少ない資源をどのように按分するか。公平や公正,社会的な正義を実現するための組織であること,その組織の内外にはいくつもの利害関係者が並存しているポリティクスの組織であること,環境からの影響にさらされている典型的なオープン・システムであること,これらの基本的な前提を与件として,本書では公共セクターの組織におけるマネジメントを再度捉え直しその可能性について論じる。
目次 | |
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はじめに | |
第1章 公共と公共の組織:論点整理 | |
Ⅰ 公共とは何か Ⅱ 組織論の立場 Ⅲ 政府という組織,その役割,効用と限界 Ⅳ 公と私の狭間で Ⅴ 公共経営とは何か 要約 |
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第2章 ガバナンス | |
Ⅰ 論点 Ⅱ ガバナンスの概念と意義 Ⅲ ガバナンスの変容,拡張,曖昧化 Ⅳ 私的政府の形成 Ⅴ 組織間関係:パートナーシップ,ネットワーク,そして,コラボレーション 要約 |
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第3章 公共サービス | |
Ⅰ 論点 Ⅱ 公共サービスとは何か Ⅲ サービス提供の仕組み Ⅳ サービス提供の多様化,その展開と課題 Ⅴ 発給のためのツール革新, そして適正な運用のために 要約 |
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第4章 環境適合とパワー・ポリティクス | |
Ⅰ 論点 Ⅱ 環境とは何か Ⅲ 環境適合 Ⅳ パワー・ポリティクス Ⅴ 制度という環境 要約 |
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第5章 マネジメントⅠ:ビュロクラシーの効用と限界 | |
Ⅰ 論点 Ⅱ 内部統制のためのビュロクラシー Ⅲ マネジメント・サイクル Ⅳ リーダーシップ Ⅴ コミュニケーション 要約 |
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第6章 マネジメントⅡ:システムの革新 | |
Ⅰ 論点 Ⅱ NPM:その発端と経緯 Ⅲ NPM:その手法 Ⅳ NPM:その限界 Ⅴ 限界を超えて 要約 |
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第7章マネジメントⅢ:意思決定 | |
Ⅰ 論点 Ⅱ 意思決定とは何か Ⅲ 非合理的意思決定 Ⅳ 職員参加 Ⅴ 意思決定の工学 要約 |
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第8章 市民と行政Ⅰ:市民参加 | |
Ⅰ 論点 Ⅱ 市民参加とは何か Ⅲ 地域社会と地域組織 Ⅳ NPOとボランティア活動 Ⅴ 市民と行政のパートナーシップ 要約 |
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第9章 市民と行政Ⅱ:クライエントとしての市民 | |
Ⅰ 論点 Ⅱ クライエントとは何か Ⅲ ストリート・レベルのビュロクラシー Ⅳ サービス関係のダイナミクス Ⅴ ゲートキーパーとしてのストリート・レベル・ビュロクラシー 要約 |
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第10章 人的資源管理 | |
Ⅰ 論点 Ⅱ 公人ということ Ⅲ モチベーション管理 Ⅳ キャリアとキャリア管理 Ⅴ プロフェッショナリズム 要約 |
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第11章 評価 | |
Ⅰ 論点 Ⅱ 評価とは何か Ⅲ 評価の基本的枠組み Ⅳ 自己評価 Ⅴ アカウンタビリティ 要約 |
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第12章 残された問題と今後の課題 | |
Ⅰ 変化という与件 Ⅱ 政策官庁化への試み Ⅲ 再度,公共とは 要約 |
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あとがき | |
引用文献 | |
索引 |