木鐸社

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『ジョン・デューイとアメリカの責任』

英題:John Dewey and America’s Responsibility
ISBN978-4-8332-2407-9 C3010 定価:本体4000円+税
A5判260頁 2008年10月08日刊行

著者紹介

井上 弘貴(いのうえ ひろたか)
1973年 東京都生まれ。
中央大学法学部卒
早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。博士(政治学)。
現在 神戸大学大学院国際文化学研究科准教授

内容紹介

 デューイは19世紀末から20世紀前半にかけてのアメリカを代表する知識人の一人である。本書はこのデューイの政治思想的営為を国際関係思想におけるアメリカニズムという統合的な視点から知識人史として解釈する試み。彼のアメリカニズムからの離脱と回帰を通じてその振幅の軌跡を追い、紆余曲折にとんだテキスト群を整合的に解釈する。

目次
序論
第一章 合衆国の変容,デューイの思想形成
 リバイバリズムからソーシャル・ゴスペルへ
 モダニズムの波と神を知ることへの義務のあいだで
 真理の自己表出としてのデモクラシーによる絶対的意識からの脱却
 デューイによる科学技術と信仰との調和
 個人と社会の一体化というヴィジョンと人種主義
 伏在するアメリカン・マインドへの信念
第二章 デモクラシーの福音と新しい政治を求めて
 大戦の勃発と合衆国の知識人たち
 合衆国の態度決定をめぐって
 実験的哲学のドイツ哲学にたいする優位
 合衆国の参戦とデューイによる参戦論の行方
 ビジネスライクな心理の喚起とランドルフ・ボーンのデューイ批判
 大戦の終結と知性をめぐる新たな確信
 新しい社会的組織化と新しいデモクラシー到来への期待
 極東での文化接触におけるデューイの政治的転回と思想的一貫性
 逆照射される合衆国のスピリチュアルな独自性
第三章 デューイとアメリカの責任
 戦争違法化運動へのコミットメントと「パワー・ポリティクス」の嫌悪
 連盟規約をめぐる攻防とウィリアム・ボラーの政治的態度
 政治の原像に埋め込まれたヨーロッパとアメリカの対比
 ラヴジョイのデューイ批判とデューイの反論
 伏在するアメリカ合衆国の超然性にたいする信念
 戦間期の合衆国における大衆社会化と知識人
 公衆の待望と合衆国への信頼のあいだで
第四章 知性にたいする信仰を生きる
 個人主義の理解をめぐって
 独立政治行動連盟の思想と行動
 デューイのアメリカ社会党批判とローズヴェルト批判
 ニーバーのデューイ批判と集合的エゴイズムの分析
 デューイの反論と社会的知性のもとでの人間
 ニーバーとデューイの政治神学的相克
第五章 デモクラシーを防衛しなければならない
 人民戦線の成立とモスクワ裁判
 トロツキー裁判の調査をめぐるデューイと人民戦線派知識人たちとの攻防
 新たな大戦への不安と「文化的自由のための委員会」という希望
 デューイのトロツキー/マルクス主義批判
 危機の高まりとよみがえる『ドイツ哲学と政治』
結 論
引用文献
あとがき
アブストラクト
索引

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