『小泉政権の研究』(データCD-ROM付)
英題:The Koizumi Regime
A5判・316頁・定価:本体5000円+税 ISBN978-4-8332-2405-5 C3031
2008年10月15日発行
著者紹介
[東大法・7期蒲島郁夫ゼミ]
ゼミ長 中嶋 善浩/福田 亮/白糸 裕輝
TA 大川 千尋
赤根 妙子・秋田 純
石丸 真幸・市原 悠樹
伊東 俊平・大谷 一真
小野里 拓・勝本 大二朗
岸川 修・北川 由佳
楠井 悠平・久保 浩平
島田 匠・鈴木 悠介
孫 斉庸・田付 信一
鳥嶋 七実・藤井 将象
松田 愛子・山口 真由
内容紹介
小泉政権は,日本政治研究にとっての新しい現象であった。それまでの通説的な日本政治理解を覆す諸特徴のゆえに,小泉政権の出現は数多くの政治学者や評論家による分析や検討を促した。
しかしながら,それらの諸論考は多くが印象的な事件の叙述や一連の時系列的な展開を解釈することから結論を導いており,体系的に収集されたデータを用いて仮説を実証する研究は有権者の投票行動研究を除くと少数に留まっているように見える。また,いかに多くの人々に強い印象を与えた政権であろうとも,時間が経てば経つほどその時期を捉えることができるような資料は散逸し,データの収集は困難になっていく。本書の目的は,第一に小泉政権に関する体系的実証研究の一助となるようなデータの収集と公開,第二に後世小泉政権に対して関心を抱いた人々のために記録を残すことである。
収集したデータは付属のCD-ROMに電子ファイルとして収録し,本書ではそれらのデータを用いた予備的な分析を論文やコラムの形で掲載している。
目次 | |
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はしがき | 蒲島 郁夫 |
本書の目的と構成 | 中嶋 善浩 福田 亮 白糸 裕輝 |
第1部 個人としての小泉,政治家としての小泉 | |
1. 国会発言から見た小泉純一郎の外交 | 藤井 将象 |
2. 小泉の福祉関連予算に関する主張 | 石丸 真幸 |
3. 小泉純一郎と郵政民営化 | 楠井 悠平 |
コラム 小泉行き着けのラーメン店 | 福田 亮 |
コラム 小泉の「ことば」 | 鈴木 悠介 | 第2部 選挙と小泉純一郎 |
4. 小泉純一郎と地元選挙区 | 福田 亮 |
5. 小泉の遊説についての一考察 | 島田 匠 |
コラム 選挙公報資料解題 | 楠井 悠平 |
第3部 世論,小泉,マスメディア | |
6. テレビ欄に見る小泉政権とメディアの関係 | 福田 亮 |
7. 政治とマスメディア:小泉政権支持率の規定要因 | 蒲島郁夫 ジル・スティール |
コラム テレビ欄を「読む」 | 福田 亮 |
コラム 自民党のブロガー懇談会という新たな試み | 伊東 俊平 |
コラム 小泉政権期はなぜ有権者重視の態度をとったのか | 鈴木 悠介 |
コラム 「らいおんはーと」と支持率 | 鈴木 悠介 福田 亮 |
コラム 一般紙の反応・天声人語の記事から | 島田 匠 |
第4部 小泉政権と政党組織・政党対立 | |
9. 小泉政権期のシニオリティ・ルールと派閥 | 白糸 裕輝 |
10. 民主党機関紙を通して見る小泉政権 | 勝本 大二朗 |
コラム 機関紙『自由民主』の見出しによる傾向分析 | 松田 愛子 |
コラム 機関紙『自由民主』に登場する人名の傾向から見る派閥の勢力図 | 松田 愛子 |
コラム 機関紙『自由民主』における小泉と安倍 | 伊東 俊平 |
コラム 機関紙『自由民主』一面の批判記事 | 伊東 俊平 |
コラム 公明党の対米中外交政策 | 田付 信一 |
コラム 公明党の自民党批判 | 田付 信一 |
コラム 公明党の国内政策 | 田付 信一 | 第5部 政府としての小泉政権 |
11. 小泉政権と小渕・森政権の予算からの比較 | 秋田 純 |
12. 小泉内閣の閣僚人事 | 岸川 修 |
コラム 内閣の若返りは国会の若返りではないのか | 岸川 修 | 第6部 巻末資料 |
13. 清水俊介記者(東京新聞,元小泉番)講演録 | |
14. 寺田稔代議士(自民党)講演録 | |
15. 岡田秀一氏(経済産業省,元小泉内閣総理大臣秘書官)講演録 | |
16. 小泉政権期の閣僚名簿 | |
17. 小泉純一郎・小泉政権関連年表 | |
18. 小泉政権支持率の変遷 | |
あとがきにかえて | 白糸 裕輝 |
執筆者紹介 |