木鐸社

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『アジア地域主義外交の行方:1952-1966』

英題:The Rise and Fall of Japan’s Regional Diplomacy:1952-1966
ISBN978-4-8332-2406-2 C3031 定価:本体4500円+税
A5判360頁2008年8月08日刊行

著者紹介

保城 広至(ほしろ ひろゆき)
1975年 生まれる
1999年 筑波大学第一学群社会学類卒業
2005年 東大大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程中途退学
東大東洋文化研究所助教,オーストラリア国立大学客員研究員を経て2010年4月より東大社会科学研究所准教授
学術博士(東京大学)
「1962年の『アジア共同体』:OAEC構想と日本」『アジア研究』第53巻第1号,2007年
「『対米協調』/『対米自主』外交論再考」『レヴァイアサン』第40号,2007年

内容紹介

 本書は,戦後日本の外交姿勢を規定し続けた「対米協調」/「対米自主」外交論を排し,各国政府内部の資料(一次資料)に基づき例外なくすべての事例を包括的に実証分析することによって,1950,60年代における日本の地域主義外交が,米国との協調とアジア志向という2つのアプローチの融合を可能にさせた「戦後アジア主義」をその思想的根底にもち,数多くの地域主義外交を展開したにも拘わらず,それらがすべて挫折に終ったこと,それは何故かを論証する。事例分析では見えない戦後日本のアジア地域主義外交に関する,最も詳細で系統的な通史である。

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目次
凡例/略語表
序章 「戦後アジア主義」と日本の地域主義外交
1 問題の所在
2 アジア地域主義外交:その定義,その事例
3 本書の方法論
4 分析の視角
5 本書の構成
第1章 アジア地域主義外交展開の背景:1945-1953
1 日米経済協力の一環としての東南アジア開発
2 日本とアジア
3 アジアとアメリカ
第2章 「アジア・マーシャル・プラン」の幻想:1954
1 「アジア・マーシャル・プラン」
2 6月の外遊と東南アジア援助問題
3 「お土産」を
4 アジア地域主義構想出現の契機
5 「アジア・マーシャル・プラン」の幻想
6 東南アジア経済開発計画研究会
7 吉田外交の終焉とアジア地域主義の胎動
第3章 アジア地域主義構想の不用意な乱発:1955-1956
1 鳩山政権のアジア地域主義外交
2 スタッセン訪日と日本
3 シムラ会議の失望
4 大統領特別基金と日本
5 ジョンストン演説の波紋
6 2つの地域協力構想とその挫折
7 アジア地域主義構想の乱発とその蹉跌
第4章 「対米自主外交」という神話:1957
1 「開発基金」構想と「対米自主外交」
2 米国援助政策の転換:「援助も貿易も」
3 経済外交懇談会
4 岸信介の「戦後アジア主義」
5 岸・マッカーサー予備会談と「開発基金」構想の出現
6 東南アジアと「開発基金」構想
7 「開発基金」構想とアメリカ
8 繰り返される徒労
9 「開発基金」構想の末路
10 「対米自主外交」という神話
第5章 池田政権期のアジア地域主義外交論再考:1961-62
1 池田政権期のアジア地域主義
2 ケネディ政権の「新太平洋共同体」構想と日本
3 OAEC構想の浮上
4 OAEC構想と日本外務省
5 OAECをめぐる国際関係
6 OAECをめぐる国内政治
7 中間的な結論
第6章 西太平洋友好帯構想の浮上と挫折:1963
1 覆い隠されてきた池田政権のアジア地域主義
2 コンフロンタシ
3 池田外遊前夜
4 池田東南アジア訪問と「西太平洋」構想
5 「西太平洋」構想とは何だったのか
第7章 東南アジア開発閣僚会議のイニシャティブとその限界:1965-66
1 日本主催による戦後初の国際会議
2 ジョンソン構想と「アジア平和計画」
3 外務省のジレンマ
4 外務省構想の形成
5 閣僚会議構想をめぐる国際関係
6 閣僚会議開催へ向けた国内政治
7 東南アジア開発閣僚会議の開催
8 日本のイニシャティブとその限界
終章 結論
1 アジア地域主義外交の展開とその論理
2 蹉跌の理由
むすび:オリエンタリズムの桎梏を超えて
おわりに
参考資料
引用文献目録
アブストラクト
索引

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