『西欧中世初期農村史の革新:最近のヨーロッパ学界から』
英題:Towards a New Image of Rural History in the Early Middle Ages:A Quarter of Century of European Historiography
A5判400頁定価:本体7000円+税 ISBN978-4-8332-2388-1 C3022
2007年4月5日刊行
著者紹介
森本 芳樹(もりもと よしき)
1934年 東京に生まれる
1956年 東京大学経済学部卒業
1961年 東京大学大学院博士課程修了
1968-1997年 九州大学経済学部助教授,教授
1997-2004年 久留米大学比較文化研究所教授
現在 九州大学名誉教授
著書 『西欧中世経済形成過程の諸問題』木鐸社
内容紹介
本書はここ四半世紀間にヨーロッパ学界でみられた西欧中世初期農村史研究の「革新」と呼べる程の変化を追跡したもの。それは歴史学における現在の動向というだけでなく,歴史学による模索の一齣を描写するものとなっている。またわが国の西欧中世史研究をヨーロッパ学界に匹敵する水準で論じようと目指したもの。
目次 | |
---|---|
序言 | |
西欧中世初期農村史文献目録(ヨーロッパ学界1980-2004年) | |
第1部 荘園制研究の復活:1980-1987年 | |
第1章 荘園制展開過程の研究 1 古典荘園制の形成:フルヒュルスト仮説の検証 2 カロリング期の社会経済発展における古典荘園制の位置 3 中世初期南欧世界と古典荘園制 4 古典荘園制の歴史的役割:フルヒュルスト仮説からトゥベール論文へ 第2章 史料的基礎=所領明細帳研究の隆盛 1 研究の復活と展開 2 研究の展望 |
|
第2部 荘園制研究の成熟:1988-1993年 | |
はじめに 第1章 中世初期における農村成長の確認 第2章 荘園制の諸側面 1 所領明細帳の新版と史料論 2 空間組織としての荘園制 3 領主と所領形態 4 奴隷・賦役労働・保有農民 5 荘園制と流通・都市 第3章 批判的学説と研究の展望 1 批判的学説の二つの流れ 2 対話的研究の展望 |
|
第3部 荘園制研究の浸透:1994-2004年 | |
はじめに 第1章 中世初期農村の物的基盤 1 定住と景観 2 農業成長 第2章 荘園制研究の浸透 1 所領明細帳・台帳系記録の研究 2 所領の配置と形態 3 労働力の諸形態 4 流通と都市 5 土地取引・紛争解決から所領の国制史へ 第3章 荘園制の地位と研究の展望 1 「対話的研究」の進展 2 研究の展望 |
|
結論 | |
あとがき | |
索引 |