木鐸社

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『不実な父親・抗う子供たち:19世紀アメリカによる強制移住政策とインディアン』

英題:American Indians against the unfaithfull Great father in Jacksonian Era
A5判272頁定価:本体3500円+税 ISBN978-4-8332-2386-7 C3022
2007年3月1日刊行

著者紹介

鵜月 裕典(うづき ゆうすけ)
1957年  東京都生まれ
1982年 立教大学文学研究科史学専攻博士課程前期課程修了
1988年 札幌学院大学人文学部専任講師
1992年   同助教授
1994年 立教大学文学部史学科助教授
     1999年   同教授
現在 同文学部史学科超域文化学専修教授

内容紹介

 アメリカ合衆国にとってその建国に関わる重要な問題の一つは先住インディアンにどう対応するかであった。本書は,強制移住前後の連邦政府によるインディアン政策を中心に,その政策を土地奪取=空間的排除によるインディアン絶滅という視角からだけでなく,移住地で連邦政府が推進した文明化による統合の試みとインディアン領地構想が,白人,インディアン双方にとっていかなる意味と目的をもったか,更に黒人を含めた三者の織り成す複雑な関係を究明し,総合的に捉えようとするもの。

目次
序 本書の視角
第1章 強制移住期までの連邦インディアン政策
Ⅰ 土地奪取の展開
(1)土地奪取と連邦インディアン政策
(2)インディアン文明化政策
Ⅱ インディアン移住をめぐる賛否の論理
(1)インディアン移住構想の形成とマッケニーの論理
(2)ジャクソンとエヴァーツの論理
Ⅲ インディアン強制移住法の成立
(1)連邦議会での法案審議
(2)チェロキー裁判と移住反対論の旋回
Ⅳ 中間総括
補章 ジェディダイア・モースのインディアン改革計画
Ⅰ 本章の視角
Ⅱ モースとインディアン文明化
Ⅲ モースのインディアン改革計画
Ⅳ 移住と文明化
Ⅴ 中間総括
第2章 1834年インディアン関連諸法
Ⅰ 研究の前提条件
Ⅱ 土地奪取説と人道主義説
Ⅲ 1834年立法の内容
Ⅳ 1834年立法の意図と意義
第3章 ジャクソン期インディアン領地構想
Ⅰ 研究の前提条件
Ⅱ モンロー政権とJ・Q・アダムズ政権における領地構想
Ⅲ ジャクソン期政権初期における領地構想の形成
Ⅳ 1834年領地法案
(1)領地法案の内容
(2)法案への賛否両論
Ⅴ 1834年法案以降の領地構想
Ⅵ 中間総括
第4章 共生の試みと挫折:インディアン共和国と強制移住
Ⅰ 研究の前提条件
Ⅱ チェロキー族と白人
(1)チェロキー族の文化変容
(2)インディアン奴隷制
(3)アメリカ合衆国のインディアン文明化政策
Ⅲ チェロキー共和国
(1)文明化の選択
(2)政治機構の変容
(3)チェロキー族の黒人奴隷制
Ⅳ 共生構想の挫折と強制移住
(1)南部白人社会の拡大
(2)インディアン政策の転回
(3)チェロキー共和国と強制移住
(4)中間総括
第5章 セミノール族・アフリカ系黒人・白人
Ⅰ セミノール族とは何か
Ⅱ エステルチ
Ⅲ 第一次セミノール戦争と併合
Ⅳ セミノール版の奴隷制
Ⅴ 第二次セミノール戦争とインディアン強制移住
Ⅵ 黒人の役割
第6章 インディアンとインディアン文明化
Ⅰ インディアン・テリトリの内実
Ⅱ 最終総括にかえて
参考資料
① ジャクソン年次教書
② 強制移住法
③ 通商交際法
④ 組織化法
⑤ 領地法案
おわりに
引用文献
索引

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