『変容する日本の社会と投票行動』
英題:Changes in the Voting Behaviour of Japanese Society
A5判204頁定価:本体3000円+税 ISBN978-4-8332-2392-8 C3031
2007年5月15日刊行
著者紹介
平野 浩(ひらの ひろし)
1959年 大阪府に生まれる
1988年 学習院大学大学院政治学研究科博士課程修了
学習院大学政治学博士
現在 学習院大学法学部教授
著書 『現代の政党と選挙』有斐閣,2001年
内容紹介
21世紀初頭における有権者の投票行動の分析を通じて,なぜ日本の政治が今日あるようなものであるのかを解明することを目的とする。第一部(第1章~第4章)では,マクロな社会構造,経済状況,政治文化などが有権者の投票行動にどのように反映しているのかを明らかにする。続く第二部(第5章~第8章)では,投票行動を内的に規定する社会心理学的諸変数,すなわち政党支持,候補者評価,争点態度,内閣業績評価などの再検討を行う。最後の第三部(第9章~第10章)では,投票行動を外的に拘束する諸要因の影響,すなわち衆参それぞれの選挙制度が分割投票に及ぼす影響,日本の政党システムと有権者の投票行動の相互の規定関係などを明らかにし,今後の日本政治を展望する。
目次 | |
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序章 本書の目的と構成 | |
第1部 社会構造・経済状況・政治文化 | |
第1章 有権者の属性と政党支持・投票行動 | |
1 はじめに 2 有権者の属性と支持政党・投票政党 (1)性別/(2)年齢/ (3)学歴/(4)年収/(5)職業 3 まとめ |
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第2章 職業と党派的態度:長期的変動と対立構造の認知 | |
1 はじめに 2 職業と支持政党・投票政党:その持続と変化 3 職業利益認知の構造と投票行動への影響 (1)利益の一致度/(2)職業利益に関する対立軸の認知 (3)職業代表政党に関する認知/(4)職業利益認知と投票行動 4 まとめ |
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第3章 階層・価値観・ネットワーク | |
1 はじめに 2 階層的属性の多次元的構造 3 媒介的諸変数の定義 4 媒介的諸変数に対する階層的変数の影響 5 政党支持に対する階層的属性および媒介的諸変数の影響 6 投票行動に対する階層的属性および媒介的諸変数の影響 7 まとめ |
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第4章 経済状況と投票行動 | |
1 はじめに 2 経済状況認識の形成要因 3 小泉内閣の業績評価と今後への期待 4 自民党への投票に対する経済状況認識・業績評価・期待の効果 5 80年代~90年代における経済投票 6 客観的な経済状況の効果に関する分析 7 まとめ |
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第2部 ミシガン・モデル再考 | |
第5章 政党支持とその規定要因 | |
1 はじめに 2 社会的亀裂と利害のネットワーク 3 カルチュラル・ポリティクスと保革イデオロギー 4 日本における政党帰属意識 5 まとめ |
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第6章 候補者認知・候補者評価と投票行動 | |
1 はじめに 2 候補者認知の形成要因 3 候補者認知と候補者評価 4 候補者の個人的特性の評価と投票行動 5 まとめ |
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第7章 争点態度と争点投票 | |
1 はじめに 2 争点態度の構造 3 争点態度と政党支持・投票行動 4 争点投票のメカニズム 5 近接性モデルと方向性モデル 6 まとめ |
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第8章 投票行動における業績評価と期待の役割 | |
1 はじめに 2 小泉内閣に対する業績評価と期待の推移 3 業績評価と期待の形成メカニズム 4 業績評価と期待が投票行動に及ぼす影響 5 まとめ |
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第3部 制度とシステム | |
第9章 選挙制度の改変と二票の使い分け | |
1 はじめに 2 分割投票のパターンとその理由 3 03年衆院選における自民・民主両党間の分割投票 4 01年参院選比例区における候補者名投票の分析 5 まとめ |
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第10章 政党システムと投票行動 | |
1 はじめに 2 対立軸認知の論理 3 認知された政治的対立軸の構造――01年 4 認知された政治的対立軸の構造――05年 5 選挙制度の影響と今後の展望 |
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終章 投票行動から見た日本政治 | |
引用文献リスト | |
索引 |