『社会的世界の意味構成』〔改訳版〕
ドイツ語タイトル:DER SINNHAFTE AUFBAU DER SOZIALEN WELT:Eine Einleitung in der verstehende Soziologie,1932
A5判400頁 定価:本体5000円+税 ISBN4-8332-9018-9 C3036
2006年11月29日刊行
著者紹介
<著者>
アルフレッド・シュッツ(Alfred Schutz(1899-1959))
<翻訳>
佐藤 嘉一(さとう よしかず)
立命館大学産業社会学部教授
内容紹介
M・ヴェーバーの「主観的意味」概念は体験時間(内的時間意識)である自己省察と深く結びついているが,彼はそれを曖昧なままにしている。シュッツは,本書でこれを徹底的に分析し,自己理解と他者理解,意味措定と意味解釈,動機と企図,意味適合性と因果適合性などのヴェーバーの複雑な理念型概念形成の本質とそれらを対象とする社会諸科学の独特な態度と方法を簡明にする。
目次 | |
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日本の皆様へのメッセージ (I・シュッツ) | |
第2版への序言 (I・シュッツ) | |
序言 (A・シュッツ) | |
改訳版 序 (訳者) | |
第1章 予備的考察 | |
第1節 問題提起のための序言 第2節 マックス・ヴェーバーの有意味的行為の概念 第3節 他我の先行与件性と主観的意味把握の公準 第4節 ヴェーバーの「直接的」理解と「動機的」理解の概念に対する批判 第5節 主観的意味と客観的意味 第6節 構成分析への移行:「ある達成的行為と結びついた意味」概念の解釈 |
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第2章 各自の持続における有意味的体験の構成 | |
第7節 内的持続現象―過去把持と再生 第8節 フッサールの「意味付与的意識体験」と行動の概念 第9節 行為の概念―企図と未来予持 第10節 「意識的」行為と明証性 第11節 恣意的行為と選択の問題 第12節 要約―第一の根源的意味概念 第13節 第一の意味概念の拡大 A 意味の注意変様 第14節 第1の意味概念の拡大(続き) B 体験連関―意味連関と経験連関 第15節 経験世界の構築と図式によるその秩序付け 第16節 解釈図式としての経験の図式―自己解釈と解釈,問題と関心 第17節 意味連関としての動機連関 A 「目的」の動機 第18節 意味連関としての動機連関(続き) B 真の理由動機 |
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第3章 他者理解理論の根本特徴 | |
第19節 自然的見方における他我の一般定立 第20節 他者の体験流と私自身の体験流の同時性(続き) 第21節 他者理解という日常概念の曖昧さ ―自己解釈作用による他者理解の根拠づけ 第22節 固有の他者理解への転換 第23節 表現動作と表現行為 第24節 記号と記号体系 第25節 意味措定と意味解釈 第26節 表明の意味連関.要約 第27節 主観的意味と客観的意味:産出物と証拠 第28節 精神諸科学における主観的意味と客観的意味の理論の若干の応用に関する補説 |
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第4章 社会的世界の構造分析:社会的直接世界・同時代世界・先代世界 | |
A 序論 第29節 さらなる問題提起の予備的展望 B 社会的行動,社会的行為,社会関係 第30節 ヴェーバーの「社会的行為」の概念―他者態度と他者影響 第31節 ヴェーバーの「社会関係」の概念―態度関係と影響関係 第32節 影響関係の動機連関 C 社会的直接世界 第33節 社会的直接世界と我々関係 第34節 直接世界の社会関係の分析 第35節 直接世界の観察 D 社会的同時代世界と理念型 第36節 社会的同時代世界の問題への移行 第37節 理念型としての同時代世界における他我―彼ら関係 第38節 同時代世界の匿名性と理念型の内容充実性 第39節 同時代世界の匿名性と理念型の内容充実性 第40節 同時代世界の社会関係と同時代世界の観察 E 後代世界の理解と歴史の問題 第41節 社会的世界における過去の問題 |
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第5章 理解社会学の若干の根本問題 | |
第42節 これまでの研究結果の回顧 第43節 同時代世界の観察と社会科学の問題 第44節 ヴェーバー社会学における理念型の機能 第45節 因果適合性 第46節 意味適合性 第47節 客観的チャンスと主観的チャンス 第48節 理解社会学における合理的行為類型の優先 第49節 社会科学における客観的意味と主観的意味 第50節 結び―今後の問題の指摘 |
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解説とあとがき |