『小嶋和司憲法論集』〔全3巻〕普及版同時復刊
小嶋和司憲法論集1『明治典憲体制の成立』
ISBN4-8332-9015-4 C3032 A5判462頁並製定価:本体7000円+税
第1巻には,小嶋憲法学の最も特色ある分野の一つ,いわゆる典憲体制成立史に関する主要な業績のほとんどが収められている。全部で六篇から成るが,いずれも珠玉の論考ばかりであり,しかもそれだけで四四〇頁余りという大部の論文集となった。この分野における先生のお仕事の充実ぶりに驚かされる。それというのも,典憲体制成立史の研究は,先生が学究生活を選ばれた時からの関心事で,それは常に,日本財政制度の比較法史的な分析を主とする小嶋憲法学に欠くことのできない研究対象であったからであろう。本書は,実定憲法学と史的研究とが見事に有機的な連関をもちうることを具体的に示し,むしろ本来,法学が歴史と不可分であることをよく伝えてくれると思う。
(解説 京都大学教授 大石 眞)
小嶋和司憲法論集2『憲法と政治機構』
ISBN4-8332-9016-2 C3032 A5判436頁並製定価:本体7000円+税
精緻な解釈論を展開して支配的学説に鋭い批判を浴びせた衆議院の解散権の所在や天皇の権能に関する一連の論争的な論考をはじめ、精密な比較憲法史的分析・検討に基づいて深奥な議論を展開した主権論や女帝論に関する論考,権力分立論関係の論考等,憲法と政治機構に関する論文一七篇を選び収録。
(解説 東北大学教授 布田 勉)
小嶋和司憲法論集3『憲法解釈の諸問題』
ISBN4-8332-9017-0 C3032 A5判562頁並製定価:本体8000円+税
博士が折りにふれて発表された憲法解釈に関する論考を収録。博士の関心は,憲法解釈の全領域に亙る広範なものであった。と同時に博士の関心は終生一貫して,学の名に値する客観性を備えた解釈論の構築を目指された。本巻に含まれる多くの時論的論考もこの学問的姿勢に貫かれており,今日なお傾聴すべき卓見が数多見出される。まさに博士の珠玉の短編集と言えよう。
(解説 神戸大学教授 赤坂正浩)