木鐸社

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『アメリカ医事法』

アメリカビジネス法シリーズ 14
英題:Health Care Law and Ethics, 1999
A5判330頁定価:本体4500円+税 ISBN4-8332-2365-1 C3032
2005年10月17日刊行

著者紹介

<著者>
マーク・A・ホール教授
アイラ・エルマン教授
ダニエル・S・ストラウス教授
<翻訳>
吉田 邦彦(よしだ くにひこ)
1958年生れ
現在 北大大学院大学法学研究科教授

内容紹介

 米国医事法は、1980年代末から、大変貌し,かつての不法行為の一分野としての医療過誤法のイメージでは収まりきらず,医療保障政策や医事行政法を交錯させて理解することが不可欠と認識され,医療経済学や正義論の観点からの分析が求められるに至った。また,様々の医の倫理問題(例、生殖医療、臓器移植医療、延命医療)について、法哲学的・医療政策的に理論的検討を加えることが喫緊の課題となっている。これら諸問題を取り込んで、広く医事法として、未開拓の分野を多く含む新領域の科目としてロースクールでも定着しつつある。つまり従来型民法知識では太刀打ちできず、刻一刻と変わる医療保障政策の所産としての医事行政法というべきものに通ずることが要求され,しかもミクロ的情報としてだけではなく、広く経済学的・哲学(倫理学)的に、理論分析することもできなければならない。本書はこれらを十二分に満たす入門書。

日本語版への序文 (マーク・ホール)

 このたび,吉田教授によって,本書が日本語に訳されたことは,光栄なことであります。  私は,ウェイクフォーレスト大学で,ロースクールとメディカルスクールとに勤めており,メディカルスクールの同僚は,医学の普遍性ゆえか,しばしば国際会議に出席し,またこちらでの会議で,外国からの訪問者をもてなしたりしています。ところが,残念なことに,アメリカ医事法は,今までのところ外国の法律家にあまり関心をもたれていないように思われます。私の印象では,アメリカ法学は,しばしば,極端なところにまで行ってしまって,コントロールできなくなった例として参照されているように思うのです。そしてこのことは,確かにある意味では,当たっているところがありますが,しかしながら,われわれの法システムからも,「どうすべきか」「どうすべきではないか」に関して,有益なレッスンを求めることもできるように考えます。  アメリカサイドでは,医療に関する権利・義務に関する日本的なアプローチの仕方について,関心が高まっておりますし,アメリカの学者は,日本の文化的伝統を,アメリカ的な過剰なまでの個人権への執着の幾つかを調整していくモデルとして,眺めるようになっています。  他方で,日本では,アメリカ的な患者の権利の法理念を摂取していることも伝え聞いています。  ですから,われわれは,互いに接近してきており,どこか中間のところで出合うことになるのではないでしょうか。

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