木鐸社

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『民主制のディレンマ 市民は知る必要のあることを学習できるか?』

A5判280頁定価:本体3000円+税 ISBN978-4-8332-2364-5 C3031
2005年7月15日刊行

著者紹介

<著者>
アーサー・ルピア(Arthur Lupia)
1964年生れ
現在 ミシガン大学政治学部教授
マシュー・D・マカビンズ(Mathew D. McCubbins)
1956年生れ 
現在 カリフォルニア大学サン・ディエゴ校政治学部教授
<翻訳>
山田 真裕(やまだ まさひろ)
1965年生れ
現在 関西学院大学法学部教授

内容紹介

 投票者は政治についての単純な質問に答えられない。議員は立法の細部について思い出せない。陪審員は法的議論について理解できない。このような観察は豊富であり,何世代にもわたって学会の権威がこれらの観察を,投票者,議員,そして陪審員が無能であることを主張するために用いている。この『民主制のディレンマ』において,アーサー・ルピアとマシュー・マカビンズは複雑な争点について,市民がどのようにして意思決定を行うかを説明している。彼らは経済学,政治学,そして認知科学からの知見を交えた上で,学習と選択についての理論と実験を発達させている。彼らはその分析道具を理性的選択(reasoned choice)のための必要条件を明らかにするために用いている。理性的選択とは,彼らが確かな(多分大きな)知識水準を持っていたなら行うと思われる選択である。彼らの研究成果は投票者,陪審員,議員の能力に関する議論を明快なものにするとともに,政治制度の設計が市民による効果的な統治の能力にどれほどの影響を与えるかを明らかにしている。

目次
日本語版への序文
謝辞
第1章 知識と民主制の基礎
民主制,委任,そして理性的選択
我々の理論の予告
本書の構成
第Ⅰ部 理論
第2章 人々はどのように学習するか
 注目! これが我々の学び方だ
 認知証券市場
 注意とコネクション
 結 論
第3章 人々は他者からどのように学習するのか
 説得についてのアリストテレス理論
 説得についての我々の理論
 ダイナミックな含意
 説得についての含意
 結 論
第4章 人々は他者から何を学習するのか
 啓蒙のための条件
 騙しの条件
 討論:我々はどうやって信じる相手を選ぶのか
 結 論
第5章 委任と民主制
 委任のディレンマ
 コミニュケーションと委任の理論
 それが意味するもの
 結 論
第Ⅱ部 実験
第6章 理論,予測と科学的方法
第7章 情報,説得,選択についての実験
 実験計画
 説得と理性的選択についての実験
 結論
第8章 委任についての実験
 実験計画
 結論
第9章 説得のための条件に関する世論調査形式の実験
 実験についての説明
 分析
 結論
第Ⅲ部 制度設計のための含意
第10章 知識の制度
 選挙制度
 立法制度
 官僚制度
 司法制度
 啓発的でない民主制
 結 論
著者あとがき
訳者あとがき
参考文献
索引

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