木鐸社

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『民事訴訟法の法と経済学』

原題:Civil Procedure: The Economics of Civil Procedure, Foundation Press, 2003
A5判・300頁・本体3000円+税 ISBN4-8332-2359-7 C3032
2004年11月28日刊行

著者紹介

<著者>
R.G.ボウン
1987年 ボストン大学ロー・スクール法学教授,現在に至る
<翻訳>
細野 敦(ほその あつし)
現在 東京地方裁判所判事 『要件事実の考え方と実務』(共著)民事法研究会,2002年
「判決効の主観的拡張理論とその経済分析―コラテラル・エストッペルの経済分析の紹介」『判例タイムズ』828号(判例タイムズ社,1993年)

内容紹介

 本書は,対象を特に民事訴訟法に絞り,実務上・学説上の喫緊の問題点を解明しながら法と経済学の分析手法を体得できるように工夫されている点で,これまでの類書にない特徴を有する。
 対象分野が限定されているものの,本書は,法と経済学を初めて学ぼうとする人のための入門書と位置づけることができる。すなわち,本書では,基本的な概念や考え方から丁寧な説明が施され,初学者にも容易に理解ができるよう配慮がなされている。また,法と経済学の分野における1970年代以降の民事訴訟法関連の主要論文のエッセンスがぎっしり詰め込まれ,随所に詳細な注が付され,深い理解を得ることができる。
 平成16年4月にスタートした日本版ロー・スクール,法科大学院では,基礎法学・隣接科目群の1つとして,ほとんどの大学院が「法と経済学」の講義を予定している。法と経済学の手法は,実務法律家にとっても不可欠な素養として位置づけられ,その比重は今後ますます高くなるであろう。本書は,将来法律家を目指す学生や実務法律家にとって「予測と戦略的思考」の訓練の一助になるであろう。

目次
推薦の言葉(太田 勝造)
はじめに
第0.1節 実証的法と経済学と規範的法と経済学
第0.2節 基本構想
第0.3節 本書の内容と章立てについて
第1部:実証的法と経済学の分析道具
第1章:濫訴の謎:勝ち目のない訴訟が起こされるのは,なぜか?
第1.1節 法と経済学の訴訟モデル
第1.2節 濫訴の謎を解く
第1.3節 分析の精緻化:リスク回避と評判
第1.4節 第1章のまとめ
第2章:和解の謎:訴訟がトライアルにまで至るのは,なぜか?
第2.1節 法と経済学の和解モデル
第2.2節 和解の謎を解く
第2.3節 和解額を予測する
第2.4節 分析の精緻化:エイジェンシー・コストと弁護士報酬の取決め
第2.5節 第2章のまとめ
第3章:合理的選択理論の限界
第3.1節 概観
第3.2節 限定合理性
第3.3節 認知能力の限界
第2部:規範的法と経済学の分析道具
第4章:プリーディングの最適なルールはどれか?
第4.1節 プリーディング・ルール一般について
第4.2節 過誤コストの基礎的分析
第4.3節 手続コスト
第4.4節 分析の統合
第4.5節 第4章のまとめ
第5章:両面的弁護士報酬敗訴者負担制度を合衆国も導入するべきか?
第5.1節 訴え提起のインセンティヴ
第5.2節 和解のインセンティヴ
第5.3節 訴訟追行に費用をかけるインセンティヴ
第5.4節 インセンティヴ相互の影響と法遵守のインセンティヴ
第5.5節 第5章のまとめ
第6章:規範的法と経済学の限界
第6.1節 公正対効率性
第6.2節 手続的公正についての理論
第3部:その他の応用
第7章:ディスカヴァリ
第7.1節 概観
第7.2節 法定のディスカヴァリの便益
第7.3節 法定のディスカヴァリの費用
第7.4節 ディスカヴァリの改革
第8章:遮断効
第8.1節 請求遮断効の法と経済学
第8.2節 争点遮断効の法と経済学
第9章:クラス・アクション
第9.1節 クラス・アクションの便益
第9.2節 クラス・アクションの費用
第9.3節 クラス・アクション改革への提案
おわりに
訳者あとがき
索引

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