『議会制度と日本政治-議事運営の計量政治学-』
英題:Agenda Power in the Japanese Diet
A5判・300頁・定価:本体4000円+税 ISBN4-8332-2339-2 C3031
2003年9月24日刊行
著者紹介
増山 幹高(ますやま みきたか)
1964年京都府生れ
1989年慶応義塾大学法学部卒業
2001年ミシガン大学Ph.D(政治学)取得
現在 成蹊大学法学部教授
内容紹介
既存研究のように,理念的な議会観に基づく国会無能論やマイク・モチヅキに端を発する行動論的アプローチの限界を突破し,日本の民主主義の根幹が議院内閣制という制度に構造化されていることを再認識し,この議会制度という観点から戦後日本の政治・立法過程を体系的・計量的に展開する画期的試み。
目次 | |
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一章 序論 | |
1 制度論と戦略性 2 国会の機能と運営 3 既存研究における問題点 4 研究の目的と意義 5 本書の構成 |
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二章 国会研究における観察主義 | |
1 官僚支配論 2 与野党協調論 3 代理委任論 4 観察主義の陥穽 |
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三章 国会は全会一致的か? | |
1 国会における立法手続き 2 国会法規の再考 3 議事運営の比較制度論 |
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四章 議事運営の分析方法論 | |
1 議事運営権の理論 2 分析概念としての「立法時間」 3 議事運営権の制度的均衡 計量分析概論 1 生存分析 2 サンプル・セレクション |
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五章 議事運営による非決定 | |
1 セレクション・バイアス 2 法案賛否の不均一分散 3 議院内閣制における国会の機能 |
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六章 議事運営と立法時間 | |
1 会期制による時間制約 2 立法時間の推計 3 立法時間の均一性 補足推計 |
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七章 議事運営と立法的効率性 | |
1 委員会における議事運営権 2 政権基盤の脆弱性と議事運営権 3 議事運営の制度化 4 議事運営と政党制 補足推計 |
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八章 議事運営と行政的自律 | |
1 議事運営と行政裁量 2 議事運営と行政組織 3 政治優位における官僚主導 |
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九章 政権流動期における議事運営 | |
1 流動期における肯定的議事運営権 2 流動期における否定的議事運営権 3 政権流動化の政策的帰結 4 政権流動化と国会の機能 補足推計 |
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十章 結論 | |
1 立法過程における行動と制度 2 立法時間と議事運営権 3 立法・行政関係と政権流動性 4 国会研究における制度論的方向性 補足推計 |
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注 | |
参考資料 | |
戦後国会における立法動向 新憲法下の国政選挙 変数の定義と基礎統計(法案支持確率) 変数の定義と基礎統計(立法危険率) 厚生省部局再編前後の関連法案一覧 |
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参考文献 | |
あとがき | |
索引 | |
英文要旨 |