『法と社会規範:制度と文化の経済分析』
原題:Law and Social Norm, 2000
A5判・368頁・定価:本体3500円+税 発行:2002年11月10日 ISBN4-8332-2331-7 C3032
著者紹介
<著者>
Eric A. Posner(エリク・ポズナー)
1988年エール大学,1991年ハーヴァード・ロースクールを卒業,
連邦控訴裁判所・連邦司法省勤務,ペンシヴェニア・ロースクール助教授を経て
1998年よりシカゴ大学教授
<監訳>
太田 勝造(東大法学部教授)
<翻訳>
飯田 高
志賀 二郎
藤岡 大助
山本 佳子
内容紹介
第一部で非・法的な協力の一般的モデルとしての「シグナリング・ゲーム」を提示し,第二部では,それを法の個別分野に適用する。第三部は第二部の議論をうけて規範的法理論をめぐる一般的な問題を検討する。法律問題の理解にとってゲーム理論の諸概念は有効であること,法規範の多くは社会規範の別個独立の社会規整力を制御する試みとして理解するのが最適であること,社会厚生に資する規範は多いが,害する規範も多く規範の価値は概ね歴史的偶然でしかないことが命題として導かれる。
目次 | |
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1.序説:法と集合行為 第1部 非・法的集合行為のモデル 2.協力と規範生成のモデル 3.敷衍,反論,および代替的理論 第2部 法への応用 4.贈物と無償の約束 5.家族法と社会規範 6.社会的地位,スティグマ,および刑事法 7.投票,政治参加,およびシンボル行動 8.人種差別とナショナリズム 9.契約法と商行為 第3部 法への応用 10.効率性と分配的正義 11.比較不可能性,商品化,および金銭 12.自律,プライヴァシー,およびコミュニティ あとがき/索引 |
関連書
〔「法と経済学」叢書1〕 「法と経済学」の原点
松浦好治編訳(名古屋大学法学部)
A5判・230頁・3000円(1994年)ISBN4-8332-2194-2
ロナルド・コース=社会的費用の問題(新沢秀則訳)
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本書は「法と経済学」と呼ばれる法学研究のアプローチの出発点となった基本的文献を収録し,その発想の原点を示す。
〔「法と経済学」叢書2〕 不法行為法の新世界
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A5判・180頁・2500円(1994年)ISBN4-8332-2195-0
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1970年代から急速な展開を見せ始めた「法と経済学」研究は,アメリカ法学の有力な一学派を形成。70年代初期の代表的論文を収録。
〔「法と経済学」叢書3〕 法と経済学の考え方
■政策科学としての法律学
ロバート・クーター著 太田勝造編訳(東京大学法学部)
A5判・248頁・3000円(1997年)ISBN4-8332-2248-5
1.法と経済学での評価基準,価値観 2.法と経済学の基本定理:コースの定理 3.不法行為法,契約法,所有権法の総合モデル 4.インセンティヴ規整:行動の価格設定と制裁
1.と2.は法と経済学の基礎理論,3.と4.で民事法から刑法までカヴァーするクーターの統一的見地を提示する。